2024年9月3日(火)~8日(日) 13時~19時(最終日17時まで)
「ゆく河の流れはたえずして、しかももとの水にあらず」。流れる川面の表情は一瞬であり、ましてやマクロレンズで追うのはとても難しい。それだけに、撮る対象としては果てしもないものがある。それは美しく、時に「あっ」と驚くような表情が撮れ、とても興味深く魅力的である。季節・天候・時刻・流れの強弱などによって様々な表情をみせる。その表情を10年来追い続けてきた。流れる川面の表情は、狙って撮れるものではなく、写った表情をそのまま自然が与えてくれたものとして受け入れる事も多い。ただ長い経験から、写る模様もある程度予測できることもある。そんな中にあって、「撮ってくれ」と言わんばかりの表情が写ることがある。それは、人の顔や生き物の姿にも見えてとても驚く。さらに、光跡が描く模様も複雑で、今回のように子供の姿を思わせる愉快なものもあり不思議である。これらからは、何か霊的な奇跡のようなものさえ感じる。 通った川は、小さな浅い渓流で、いつも長靴をはき撮影をしてきた。
また、流れの弱い池などでは、少し違った表情が見られる。ちょっとした流れや風の影響を受けた波紋は実に妙である。概してほんわかゆったりした表情が多いが、周囲の物が水面に影を落としてできる模様もあり、趣きがある。雨が降れば、雨滴の描く波紋や模様が複雑にからまり合って、また違った表情を見せてくれる。
プロフィール
佐藤宏治 KOUJI SATO
群馬県高崎市生まれ 早稲田大学卒
民間企業に勤務した後、群馬に戻り公立学校の教員を務める。
定年退職を機に写真を始める。主に花など身近な自然を撮っている。一方で、自然の中でも人が気付かない、見逃してしまいそうなテーマをいくつか決めて、それらを撮り続けている。今回の作品もその1つで初個展。
元全日本写真連盟会員(22年退会)
2024年9月20日(金)~ 29日(日)13:00-19:00 24日休廊 29日17:00まで
ポンサリーは、ラオス北部の山地にある。私の脳には、東南アジア奥地の山村を訪ねたい欲求が堆積していた。たまたま、ネットでポンサリーの街の写真を見た。幾層もの稜線に囲まれ、山の上に街が広がっていた。3ヶ月後、私は街をベースに奥地の集落を訪ねた。林に囲まれた集落は、今も朝昼晩、薪で煮炊きをしている。