マイクラゴツキ写真展 「506.08.244688.6」

2025年7月29日(火)~8月3日(日) 14:00-18:00

「506.08.244688.6」は、マイク·ラゴツキによる4つのスタイルの異なるシリーズを集めた展示であり、日本、ドイツ、ヨーロッパにおける彼の写真活動の広がりを示すものです。本展は、2025年春にドイツで大規模に初公開されました。東京のギャラリー·ニエプスで開催される今回の展示では、未発表の2つの作品群が新たに加えられています。

 

「Tokyo noir」は、コロナ以前の2018年と2019年に撮影された50点の作品で構成されています。彼はこの時期に初めてRICOH GRを用いて撮影を行い、スナップ写真への本格的な取り組みを開始しました。このシリーズは、後年のドキュメンタリープロジェクトの出発点とも言えます。

 

対照的に、「Offstage」はコロナのパンデミック後の数年間に、ヨーロッパの大都市で撮影された65点の作品から成ります。ファッション業界の依頼に伴う移動の中で、自分だけのテーマを見つけて撮影しました。華やかなランウェイ(ファッションショーの舞台)とは真逆のその外の街で、彼は静かで孤独な瞬間、ヨーロッパの街の生活、そして同じ時期に起こっていた政治や危機の気配を写真におさめました。

 

「506.08.244688.6」には、彼の妻チホのポートレートも含まれています。この写真は、ドイツの寒い冬の中で撮影されました。近接と隔たりが共存するこれらの写真には、思索、そして場所や時間、記憶のあいだにあるもののつながりが映し出されています。このシリーズも2025年春にドイツで初公開されました。作品には、親交のある日本人写真家、青戸照馬、佐藤克則、大西忠の作品が併せて展示されました。

展示の4つ目の構成要素は「Tokyodayo」です。

このカラーフォトシリーズは、2024年夏、彼の息子ルイスとの共同制作で生まれました。
これまでの作品でも偶然性を大切にしてきましたが、本シリーズでは、意図的な露出の選択により、自身の感情や心理を作品に反映させています。撮影の一部は、当時7歳だったルイスにカメラと被写体の選択を委ね、現像においても補正やトリミングなどの加工を行わないという手法がとられました。

 

 

 

 マイク·ラゴツキ - 1977年ドイツ生まれ。

写真やアートのアーティストです。とくに、ドキュメンタリー写真とストリート写真を撮っています。

彼の作品は、ドキュメンタリーと実験的なスタイルを混ぜています。自分のプロジェクトだけでなく、ポートレート(人の写真)、キャンペーン、マガジンの仕事などもしています。

彼は、アジアやアメリカを旅行しました。そこで見た町や人、社会の様子が、彼の考え方に大きな影響をあたえました。

 

2015年からは、主に東京で写真を撮っており、特に新宿や歌舞伎町といったエリアは、彼の写真制作の中心的な舞台となっています。

また、東ドイツをテーマにした写真も撮っており、そこでは社会問題やリアリティな日常生活などを写真に納め、アート手法は直感的かつ自伝的であり、テーマは偶然や出会い、そして実体験を通じてありのままに見出されています。

彼のスタイル、それは自分の感覚や経験を大切にしています。

 

主な展示:

2025年:「506.08.244688.6」(東京·Gallery Niépce、Galerie MA/RIE/MIX)

2024年:「shashin bento」(東京·Gallery Niépce)、「Rozou 145」(新宿駅)、「wounded place」(kōen gallery) 「work in progress」(kōen gallery)

2023年:「suisou」(kōen gallery、コトブス市立図書館)、「y`chome」 (kōen)、

「signs & private notes」(kōen gallery)

2022年:「Rozou 99」(新宿)、「Perspektiven Redux(ヴェンディッシュ博物館)、

「Als das Ei aufbrach das Licht ins Land...」(ヴェンディッシュ博物館)、「meat beijing」(kōen gallery)、「private notes」(zweït pop-up gallery)

 

そのほか、ブランデンブルク現代美術館(BLMK)、Clouds Art Tokyo、

電力会社跡地(コトブス)などでも展示しました。