ノートルダムの火災、ジレ・ジョーヌ(黄色いベスト運動)のデモ
緊急事態宣言の中のこうした時期の展示ですので、換気、消毒など
2021年2月23日(火)~28日(日) 13~19時
2013年の春から夏にかけて福島でシュロのある風景を撮り歩いた。
巨大津波の傷跡が残る沿岸部、そこには無残な姿をさらすシュロの姿があった。
除染作業が続く住宅地には、その傍らで立ちすくむシュロや切り倒されたシュロがあった。
シュロはヤシ科の常緑樹。庭木として流行したのは昭和30~40年代ごろの高度成長期だ。
多くの日本人が科学技術の発達による「明るい未来と豊かな生活を」夢見た。
福島県が原発を誘致し運転を開始した時代でもある。
海外旅行が現実味を帯びてきたころでもあり、南国へのあこがれもあったのだろう。
しかし、現在、目にするシュロが植えられた家は、いくらかくたびれていて、時代から取り残されているようにも見えた。
福島の半世紀を庭先から見つめてきたシュロ。ことあるごとに出会うその姿は、ある時代の夢の跡のように見えてならない。
モノクロ50点。
プロフィール
矢内靖史(やない・やすし)
1964年、福島県郡山市生まれ、福島市在住。東京工芸大学短期大学部写真応用科卒。 日本自然科学写真協会(SSP)会員。
主な個展は2013年「棕櫚の日曜日」(銀座ニコンサロン)、2015、16年「かえるふくしま」(エプソンイメージングギャラリー エプサイト、ニコンプラザ仙台)、2018年「ゴブノタマシイ」(エプソンイメージングギャラリー エプサイト)。
グループ展は2013~2015年「3.11を忘れない写真家の会」(谷口雅彦代表、東京・福島・北海道)。
著書は「ふくしま虫の目探検」(福島民友新聞社)、「棕櫚の日曜日」(青蛙舎)、「かえるふくしま」(ポプラ社)。
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