MAKI / Clément Paradis マキ/クレモン・パラディ2人展

『I am a tourist / Black Liquor, night color』

 

5月16日(火)〜5月21日(日) オープニングパーティ 16日(火)18:00(どなたでも参加可能です)

 

略歴

 

 

MAKI 

 

1964年生まれ マルセイユ(フランス)出身、マルセイユ在住

写真家、 写真出版社、電子音楽作曲家、DJ、 ラジオ制作演出家

 

彼は80年前半にフランスのマルセイユの写真学校で写真を学び

その後,結婚式の写真を始め宣伝広告の写真スタジオにてアシスタントを経てモデル事務所で写真家として活動を始める。

のち,イタリアのベニスやスペインのバルセロナの街を撮り始める。

 

1986年マルセイユにてイタリアベニス,スペインバルセロナ、

故郷のマルセイユの写真で初の展示会をする。

 

90年には写真のあり方に疑問や喪失感を覚え6年間写真をやめる

 

90年末には個人を写し出す写真や即興の写真に目覚める

独自の現像方法でアナログプリントのモノクロームを用いたBDSMを発表。

 

2001年に初めて日本を訪れ後の作品となる"Japan Somewhere"

を始める。それ以来毎年日本を訪れてこの"work in progress"を続けている。

 

2007年ヨーロッパの写真家達の団体SMOKEを創設。5年間活動。

ベルギーのリエージュにあるアートモダンコンテンポラリー

のようなパリにあるCentre Wallonie-Bruxellesのギャラリーや

フランスで開催されたフェステイバルOFF Rencontres d'Arlesなど他多数に展示。 

 

2010年"Média Immédiat"を創設出版を始める。

これは小さな写真集のコレクションで、現在までで11種類の小さな写真集が出版された尾仲浩二、Morten Andersen、 Ed Templeton、市場大介などの写真集がある。

 

2012年ロンドンのGOMABOOKSにて出版されたMONO vol1にて

優秀なコンテンポラリーモノクローム写真家として選ばれる。

同写真集には Antoine D'Agata, Anders Petersen, Trent Parke, Roger Ballen, Michael Ackerman, 横田大輔などがいる。

 

このようにヨーローッパや日本で彼自身の写真を展示し,様々な国で作品を出版している。

 

2016年11月 タイムショープレスフランスから"寓喩 Allegory" 出版。この写真集の中にも"Japan Somewhere"のシリーズに引き続き

日本がテーマとなった作品となっている。

16x24cm, モノクロ写真/112ページ

 

 

 

 

CLÉMENT PARADIS : 

 

クレモンパラデイ 

1983年生まれ。写真家、ライター、デザイナー。仏St Etienne大学講師(写真理論)。

2014年「Timeshow Press」を設立。

2010年、初個展を開催後、本と写真との関係について追求する活動を続けている。

写真集に『Sound of Midnight』(2014年)『春爛漫Haru Ranman』(2015年)

その他、Stanley Greene, Anders Petersen, Max Pamなどの作品の翻訳も手掛けている。

 

“I recycle the flow of representation. I scavenge in the visual trashcans of the world. With this I make a new stock, more compact, more abstract. I think this mandala reveals the lapsing, the final corruption of the flow. So I'm just continuing to tell stories about this soft apocalypse we built - in the continuous movement of the necessary action.” -CP.

 

 

 

 

 

 

 

ステートメント

 

 

MAKI

 

 

「私はツーリスト - I am a tourist」

 

ここ最近、ツーリストの定義を辞書で読んだ。

 

"…仕事の為にではなく,楽しみと興味の為にある場所を訪れる者…"

 

私の場合は写真そのものの行為を仕事の様にはみなして居ない。

街を徘徊しながら写真を撮ることは私にとって人生最大の喜びの一つである

 

私はツーリスト!

 

最初に日本の旅をしたのは2001年に行われた

神戸での自分の写真展示会と即興音楽のパフォーマンスの為だった。

そこで現在も人生を共に歩む雅美と出会い初めて訪れたこの国と彼女に同時に恋に落ちた。以来、毎年日本へ訪れて国内を旅したり

最も私が気に入っているエリアである歌舞伎町(新宿)にも数週間滞在している。

 

日本で撮影をする様になってから数年後、このシリーズを "Japan Somewhere" (日本のどこか)と名付ける事にした。

それは私の人生でも"無期限のウォ-キングプログレス"

まさに自分と日本の関係そのものだ。

このタイトルが表す様に特定の地域や都市に限られる事なく

全国各地で撮影をした写真で構成されている。

 

このシリーズは一見、日本での思い出に捉えられるかも知れないが

自分ではドキュメンタリーだとは考えていない。そこには己の経験やビジョン、日本との色々な関係などが道で撮影されている写真の中に組み込まれている。

 

それは私が出会った人々や出来事の記録かもしれない。

断片的に限られた時間に含まれた感情や経験、更には強迫観念

反射的に捉える日本の日常には今の社会に対する問題と視点が

介在する。たまになぜ自分はこの写真を撮ったのか,だいぶ時間が経ってから気がつくこともある。

日本での一連の写真はこうして楽譜の様に日を追って綴られていく。

それは自分の中にある反抗と意見の相違という思いの昇華と,衰えゆく社会の現実を明らかにしつつ消えて行く運命にあるモノを記憶に留めたいという感情でもある。

 

 

 

 

 

 

 

CLÉMENT PARADIS :

 

 

「黒いリキュール、夜の色 - Black liquor, night color」

 

 

 

東京では、毒は解毒剤になる。

夜、タバコや香水、レストランの厨房から漂う匂いが混じり合い、路地に響き渡る都市の喧騒を倍増させる。

夜の東京で肉体は空想の世界に蘇る。

 

この世界では、カメラを持っていればだれもが写真を撮ることができる 。

それらは小さなスクリーンの中の他の雑多な色の痕跡のひとつとなって大きな画面の中に迷い込む。

こうしてイメージはプレゼンテーションの世界を離れて表現の世界に入ってゆく。

 

それぞれの画像がこの不合理なストーリーを物語っている。そして時には一枚のポートレートが浮かび上がる。

それは、通りの喧噪によって撒き散らされた使い古された美の残り滓に紛れた街の肖像に他ならない。

 

表現の世界に残るのは唯一写真のみである。特にシャッターを狂ったように押し続ける写真家, 私もその中のひとりである。

他愛のない雑記帳の様に混沌とした足跡を残し

「ポストモダン」なウォールを企てる事はもはや不可能である。